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「途上国におけるイノベーションを促進する国際協力の戦略的推進」事業で産官学連携

2012年4月13日

国立大学法人 長崎大学
独立行政法人 国立国際医療研究センター
株式会社 医学生物学研究所

国立大学法人 長崎大学(学長:片峰 茂)と独立行政法人 国立国際医療研究センター(理事長:春日 雅人/以下、NCGM)、株式会社 医学生物学研究所(代表取締役社長:佐々木 淳/以下、MBL)は、平成24年度から「途上国におけるイノベーションを促進する国際協力の戦略的推進」事業を本格実施いたします。

同事業は平成22年10月の第2回日本アフリカ科学技術大臣会合の合意に基づき、文部科学省の科学技術戦略推進予算で進められているものです。長崎大学とNCGM、MBLは、平成23年度から「貧困層を中心とする複数感染症の一括・同時診断技術開発のアフリカ拠点整備とその技術を用いた多種感染症の広域監視網と統合的感染症対策基盤の構築」(以下、本プロジェクト)について、フィージビリティ・スタディを実施しておりましたが、今回、その成果が認められ、総合科学技術会議により平成24年度事業として採択されました。

本プロジェクトでは、今後5年間にわたり、「顧みられない熱帯病(注*)」を含む複数感染症の一括同時診断技術を実用化できるアフリカ開発拠点の整備、およびその診断技術を利用したサハラ以南のアフリカの感染状況を把握できる仕組みの構築を目指します。なお、事業規模は毎年5千万円(総額2億5千万円)です。

本プロジェクトは、産官学の連携により日本が保有している高度な感染症研究や高品質の診断薬開発能力および公衆衛生のインフラを提供することで、

  1. サハラ以南のアフリカ諸国における研究開発
  2. 公衆衛生に従事する人材育成
  3. 総合的な複数感染症対策基盤――を提供すること

を目標としています。個々の役割は、代表機関である長崎大学とNCGMがアフリカ諸国への一括診断法の国際標準化の普及に努め、MBLが一括診断技術の提供、商品化に向けた市場調査と一括診断法の標準化申請の役割を担います。また、アフリカ現地拠点はケニア共和国に置き、ケニア
中央医学研究所並びに長崎大学アフリカ海外教育研究拠点が拠点機関となります。

また、本プロジェクトの最終目標として、

  1. 診断用のマイクロビーズの開発が分子生物学的に実現でき、感染症対策のニーズに応じた開発が可能となること
  2. 広域でかつ複数の感染症の分布を把握する仕組みと体制を確立し、その情報が必要な人材・場所に配分されること
  3. 住民自らが能動的に参加し、対策を効果的に押し進めることを可能とする啓蒙活動推進プログラムが開発され実施されること
  4. 開発した一括診断のシステムが国際標準化され、監視網の周辺国・地域への普及がなされる道筋をつけること
  5. アフリカと日本の若手研究者が本提案で整備した拠点において研究し、研究成果を挙げること

の5点を定めています。

本プロジェクトの波及効果として、貧困層に蔓延する感染症の実態把握が効率的に進み、新しい感染症対策の戦略を策定することが可能となることが期待されます。また、本提案で開発される技術が国際標準として活用されることにより、日本の産業界がアフリカに進出する基盤を構築できるほか、育成した人材がアフリカの各地で感染症対策に活躍し、さらに国連機関との活動の展開により、我が国に対する評価の向上につながることが期待されます。

(注*)顧みられない熱帯病(NTD)

熱帯地域、貧困層を中心に蔓延している寄生虫、細菌感染症であり、3大感染症(エイズ、マラリア、結核)と比べて、世界からあまり関心が向けられず十分な対策がとられておりません。現在、149の国と地域で流行しており、少なくとも100の地域で2つ以上のNTDが、30カ国で6つ以上のNTDが蔓延していると言われ、世界で10億人以上の人々がその脅威にさらされています。1997年に米国のデンバーで開催されたG7サミットで、橋本龍太郎首相(当時)が国際寄生虫対策イニシアティブを提唱したことを契機に、1998年のバーミンガムサミットでの「橋本イニシアティブ」、2000年の九州・沖縄サミットでの「沖縄感染症対策イニシアティブ(IDI)」、2008年の洞爺湖サミットでの「洞爺湖行動指針」に引き継がれ、問題解決に向けた国際的な取り組みが続いています。

<各機関について>

国立大学法人 長崎大学 アフリカ海外教育研究拠点(http://www.nagasaki-u.ac.jp/

長崎大学 アフリカ海外教育研究拠点は、ナイロビのケニア中央医学研究所(KEMRI)の敷地内に位置し、KEMRIの研究者と共に、複数の共同研究プログラムを展開しています。平成23年度に長崎大学アフリカ海外教育研究拠点が大幅な改築・増築を行った際、本事業による一括診断の
研究開発に専用で使用するラボ整備を同時に行いました。また、本事業用に整備されているラボとは別に、長崎大学アフリカ海外教育研究拠点が保有しているナイロビおよび地方フィールドが保有するラボ、フィールドを利用し、本事業展開を図る予定です。

独立行政法人 国立国際医療研究センター(NCGM)(http://www.ncgm.go.jp/

独立行政法人国立国際医療研究センターでは、我が国の国際保健医療協力の拠点となる国際医療協力局によって、WHO、外務省、JICAおよび国立病院機構などと連携し、開発途上国の医療や保健衛生の向上を図るため、技術支援や途上国からの研修員の受け入れなどを行っています。

株式会社 医学生物学研究所(MBL)(http://www.mbl.co.jp/

MBLおよびグループ企業が対象とする事業領域は、医薬品・バイオ産業全体にわたっております。

  1. 病院・検査センターを対象とする、臨床検査薬(主に自己免疫疾患分野)や病理・細胞診検査、遺伝子診断薬の研究・開発・製造・販売
  2. 大学・企業などのバイオ関連研究開発部門を対象とする、基礎研究用試薬の研究・開発・製造・販売
  3. 免疫学・再生医学・ゲノム生物学などを対象とした、先端バイオテクノロジーの研究開発
  4. 新規がんマーカーの研究開発、抗体技術を駆使した抗体医薬の研究・開発
  5. 製造・販売から管理業務・事業開発・コンサルティングに至るまで、各種業務の受託
  6. バイオベンチャー設立・運営への参画・支援・投資医薬品・バイオ産業は急速な技術革新にさらされている変化の激しい産業であり、MBLおよびグループ企業では、このような動的な産業の中で成長するという課題に対し、人材・組織の柔軟性を活かして新しい事業をスタートさせるなど積極的な取り組みで対応しております。

本件に関するお問合せ先

長崎大学:国立大学法人長崎大学 広報戦略本部
電話:095-819-2007
E-mail:kouhou@ml.nagasaki-u.ac.jp

NCGM:独立行政法人国立国際医療研究センター 国際医療協力局 派遣協力課
電話:03-3202-7181(内線 2733)
E-mail:kensyuka@it.ncgm.go.jp

MBL:株式会社医学生物学研究所 総務部[担当:山田]
電話:052-238-1901(代表)、ファックス:052-238-1440
E-mail:kouhou@mbl.co.jp

本プレスリリースは、長崎大学記者クラブ、厚生労働省記者クラブ、兜倶楽部、名証記者クラブ
に投函しております。

取材に関するお問合せ先

国立国際医療研究センター 企画戦略局 広報企画室
広報係長:三山 剛史(みやま つよし)
電話:03-5273-5258(直通) <9:00~17:00>
E-mail:tmiyama@hosp.ncgm.go.jp