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ご挨拶

Miyamoto Tetsuya

国立国際医療研究センター国際医療協力局は、「地球上すべての人々が健康的な生活を送ることが等しくできるような世界を目指し、低・中所得国をはじめとする世界の保健向上のために専門性を提供し、また、わが国にその経験を還元する」というミッションを実現するため、「“誰一人取り残さない” 健康な社会の実現を目指して、世界においてグローバルヘルス分野をリードする組織の一つとなる」というビジョンを掲げ、我が国を代表する国際協力機関としてさまざまな活動を展開しています。

新型コロナウィルス感染症(COVID-19)のパンデミックは、UHC(ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ)を達成したとされる先進国においても、その礎である保健システムを大きく揺るがし、グローバルヘルスの分野にも大きな変化をもたらしました。昨年来、流行前の日常が戻りつつありますが、大きな犠牲を払って得た教訓を忘れずに、COVID-19後の世界について、私たち国際医療協力局も考え、行動していかなければならないと考えています。

国際医療協力局は、私たちに課せられたミッションを果たし、ビジョンを実現するために、 5つの戦略と5つの重点テーマを定めて活動しています。グルーバルヘルス分野における専門機関として、引き続き、厚生労働省、外務省、国際協力機構(JICA)等の政府・関係機関や、WHOをはじめとする国際機関、大学・研究機関・学会等のアカデミア、さらにはNGOや企業等の幅広いパートナーと連携し、低・中所得国における技術協力プロジェクトへの専門家派遣、国内外の保健医療人材の育成、国際保健医療の研究、国際会議等を通じた政策提言などに貢献してまいります。

COVID-19後の今、世界では、感染症、気候変動、災害などの複合的な健康危機が次々と起こっており、発生前からそのリスクを正確に予測して十分に準備しておく体制が益々求められています。国立国際医療研究センターは、2025年に国立感染症研究所との統合により、国立健康危機管理研究機構として大きく生まれ変わります。私達は新組織においても、グローバルヘルスの分野で、30年を超える実績とCOVID-19対策で培った知見を生かし、「誰ひとり取り残さない」持続可能で多様性のある社会の実現のために、より強靭でレジリエントな保健システムとユニバーサル・ヘルス・カバレッジの実現に力を尽くしていきたいと思います。

今後とも皆さまのご支援、ご協力を賜りますようお願い申し上げます。

 

2024年7月 
国際医療協力局長 
  宮本 哲也 

※ UHC:全ての人々が必要とする保健医療サービスを、必要な時に、負担可能な費用で享受できる状態