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研究業績

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主な研究分野

主に低・中所得国において、5つの重点テーマを中心とした研究を行っています。

5つの重点テーマ
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2024年度 研究業績

2024年10月18日 PLOS ONE

NCGM国際医療協力局の髙野友花、大川純代、岩本あづさ、小原ひろみ、馬場洋子、天野優希、蜂矢正彦局員らの論文「Association between in-hospital exclusive breastfeeding and subsequent exclusive breastfeeding until 6 months postpartum in Japan: A cross-sectional study」がPLOS ONE誌に公開されました。

この論文では、日本国内における母乳育児の現状と課題を、オンライン無記名自記式の全国規模のCOVID-19問題による社会・健康格差評価研究(JACSIS)に基づいて分析した結果を、グローバルな状況と比較しながら報告しています。

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2024年9月3日 Global Health and Medicine

NCGM国際医療協力局の横堀雄太医師、野崎威巧真医師、蜂矢正彦医師、藤田雅美医師、江上由里子医師、宮野真輔医師、永井真理医師、駒田謙一医師、法月正太郎医師、市村康典医師、坪井基行医師、河内宣之医師の論文「Strengthening health systems during non-pandemic period: Toward universal health coverage in the pandemic agreement」がGlobal Health and Medicine誌に公開されました。

この論文では、ポストコロナの世界における保健システムの強化とユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)に関して、パンデミック条約を意識しつつ論考しています。

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2024年8月13日 Tropical Medicine and Health

NCGM国際医療協力局のMoe Moe Thandar医師、岩本あづさ医師、神田未和助産師、藤田雅美医師らの論文「Factors associated with the uptake of COVID-19 vaccination, testing and medical care among Myanmar migrants in Japan:a cross-sectional study」がTropical Medicine and Health誌に公開されました。

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2024年6月27日 Human Resources for Health

仏語圏アフリカ保健人材管理者ネットワーク(2010年にNCGMでJICA研修を受けた研修生たちが発足させた国際ネットワーク)からのアイデアをもとに開始された研究が、論文になりました。新型コロナウイルス感染拡大の中、コンゴ民主共和国保健省の強いリーダーシップと日本人長期専門家の皆様のおかげで、調査とデータ分析をすすめることができました。

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なお上記論文は、2023年に発表済みの以下の量的調査の論文とセットになっています。

2023年度 研究業績

2024年1月26日 Global Health & Medicine

NCGM国際医療協力局の馬場洋子看護師、宮城あゆみ医療ソーシャルワーカー、益絢子保健師、横堀雄太医師らの「Exploring the contribution of Japan's experience in addressing rapid aging in Asia: Focus on dementia care」がGlobal Health & Medicine誌に公開されました

本論文は、アジアにおける急速な高齢化に対処する上で、認知症ケアに焦点を当て、日本の経験が貢献できる可能性を探るものです。日本は高齢化社会のフロントランナーであり、日本の政策と現状から貴重な教訓として5つの領域で考察しました。

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2023年12月22日 国際保健医療

NCGM国際医療協力局の宮﨑一起看護師、宮城あゆみ医療社会事業専門員、江上由里子医師らの論文が、学会誌「国際保健医療」に掲載されました。

NCGM国際医療協力局の宮﨑一起看護師、宮城あゆみ医療社会事業専門員、江上由里子医師と、NCGMセンター病院リハビリテーション科、脳神経外科の論文「渡航困難期におけるベトナムとのリハビリテーション装具製作のための双方向性オンラインハンズオンセミナーの実践と成果報告」が、学会誌「国際保健医療」に掲載されました。 本論文では、医療技術等国際展開推進事業「ベトナム北部における脳卒中センターのチーム医療体制および地域連携強化事業」で、ベトナムバクマイ病院と実施した、スプリント装具製作の技術指導のための双方向性オンラインハンズオンセミナーにおいて、対面研修と同等以上の成果が得られた要因を示しています。これらの知見は、同様の活動を他国で展開する際の有用な方法となることが考えられます。

2023年12月21日 BMJ Open

NCGM国際医療協力局のMoe Moe Thander研究員と春山怜医師が共著者として関わった「Protection of the third- and fourth-dose mRNA vaccines against SARS-CoV-2 Omicron subvariant: A systematic review and meta-analysis」がBMJ Open誌に公開されました。

2021-22年に流行したSARS-CoV-2オミクロン株亜系統に対するmRNAワクチンの3回目および4回目接種の予防効果と持続性を系統的レビューとメタ解析により評価したものです。50件の研究をレビューし、3回目、4回目いずれの場合でもワクチン効果は6ヵ月以内に基準値以下となり、追加接種の必要性を支持する結果でした。

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2023年12月18日 THE LANCET eClinicalMedicine

NCGM国際医療協力局の春山怜医師らの「Feasibility of monitoring Global Breast Cancer Initiative Framework key performance indicators in 21 Asian National Cancer Centers Alliance member countries」がeClinicalMedicine誌(Part of THE LANCET Discovery Science)に公開されました。

乳がんは男女合わせたがんの中で最も多いがん(世界年間推計230万人が罹患)であり、各国での対策強化が求められています。本論文は、WHOのグローバル乳がんイニシアチブ(GBCI)の3つのKPI指標(I期・II期で診断される浸潤がんの割合≧60%、初診から確定診断までの期間≦60日、治療完遂率≧80%)について、アジア21カ国にデータが存在するか、モニタリングできるか調べました。

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2023年11月30日 Scientific Reports

NCGM国際医療協力局の春山怜医師が共著者として関わった「Gestational weight gain advice to optimize infant birth weight in Japan: A quantile regression analysis using a nationwide perinatal database」がScientific Reports誌に公開されました

日本では、2021年に妊娠中の体重増加量の目安が引き上げられ、体重増加曲線も作成されましたが、これをどのように用いると有効であるかは検証されていませんでした。

本論文は、日本産科婦人科学会周産期データベース35万人の妊婦の情報を用いてシミュレーションを行い、SGA児とLGA児の割合の変化を解析しました。妊娠中の体重増加量が出生体重に与える効果の大きさは出生体重の分位点に応じて異なり、体重増加曲線を活用して妊娠期間を通して個別に体重管理を行う有効性を示しています。

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2023年10月31日 Global Health & Medicine

NCGM国際医療協力局の池本めぐみ助産師、井上信明医師、永井真理医師らの「Issues in enhancing continuing professional development for midwives in clinical practice in Mongolia」がGlobal Health & Medicine誌に公開されました。

2021年12月、モンゴル国の母子保健や助産ケアの向上のために助産師の現状についてのオンラインシンポジウムが開催され、継続教育としての研修の受講の状況、新人助産師の育成、助産師の職務記述書と臨床での実践の合致について話し合われました。論文では、助産師の継続教育を強化するために、参加者の質問紙調査の結果等を国際医療協力局で開発された「ハウスモデル」を用いて分析しています。

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2023年9月29日 Global Health & Medicine

NCGM国際医療協力局の須藤恭子看護師らの論文「The role of community nurse in the implementation of health policy for the elderly in Thailand」がGlobal Health & Medicine誌に公開されました。

タイでは、高齢化が進む中、コミュニティナースと呼ばれる看護師が県病院、郡病院、Health Promoting Hospitalに配置され、予防活動からたとえ入院しても退院後の地域での暮らしを支える重要な役割を果たしています。コミュニティナースがタイの高齢者保健政策の中でどのような役割を果たしているのか、高齢者保健政策実施を評価したデータを分析しなおし、質的記述的に明らかにしました。

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2023年9月20日 Global Health & Medicine

NCGM国際医療協力局の須藤恭子看護師らの論文「Effects of the project on enhancement teaching skills in gerontic nursing practice of Indonesian nursing lecturer and clinical nurse preceptor」がGlobal Health & Medicine誌に公開されました。

インドネシアでは、近隣アジア諸国同様高齢化が急速に進み、看護師にも高齢患者のもつ複雑な疾患に関する高い知識と加齢に伴う変化に対応する適切な看護技術、そして倫理観が求められています。VR(Virtual Reality)を用いた教材を作成する過程を通して、研修員の指導能力を向上することができました。本論文では、2020~2022の三年間の事業内容及びその成果をまとめています。

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2023年9月11日 Tropical Medicine and Health

NCGM国際医療協力局 岩本あづさ医師、藤田雅美医師らの論文「Health of migrants and other vulnerable populations across Asian countries: Build Forward Better beyond the COVID-19 pandemic」がTropical Medicine and Health誌に公開されました。

次の公衆衛生危機に共に備えるため、アジア数か国が参加して「取り残されがちな人々」のネットワークが発足しました。本短報では、発足のきっかけとなった2023年3月のシンポジウムとその後の活動について報告しています。

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2023年9月11日 Journal of Gynecologic Oncology

NCGM国際医療協力局の春山怜医師らの論文「Feasibility, accuracy and acceptability of self-sampled human papillomavirus testing using careHPV in Cambodia: a cross-sectional study」がJournal of Gynecologic Oncology誌に公開されました。

本論文は、カンボジアにおける子宮頸がん検診の検査手法として、自己採取HPV検査が実施可能かつ有効であるかを評価しました。自己採取でも(少なくとも医療従事者による指導下では)、子宮頸部に感染しているHPV型が良好に検出されることが確認できました。一方で、自己採取よりも医師採取を好むと回答した女性の割合が高かったのは、欧米での既存の研究とは異なる点でした。

2023年9月8日 International Journal of Infectious Diseases

NCGM国際医療協力局の宮野真輔医師、蜂矢正彦医師が、英国健康安全保障庁(UK-HSA)や米国疾病予防管理センター(US-CDC)の研究者らと共著者として関わった論文「Estimates of the global burden of Congenital Rubella Syndrome, 1996-2019」がInternational Journal of Infectious Diseases誌に公開されました。

世界的な先天性風疹症候群(CRS)の発生率は2010年から2019年の間に66%減少したと推定され、最大の減少は東南アジア地域と西太平洋地域で見られました。風疹含有ワクチン(RCV)を導入した割合が高い地域では発生率は低く、まだ半数ほどでしか導入されていないアフリカ地域と東地中海地域は、推定CRS発生率が最も高い状況でした。CRS発生率のさらなる減少には、すべての国で継続的なRCVの高いカバレッジが必要で、今後、新型コロナウィルス感染症のパンデミックによる予防接種率の低下がどのように影響するのかが懸念されています。

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2023年8月18日 International Journal of Environmental Research and Public Health

NCGM国際医療協力局 松原智恵子薬剤師/国際協力専門員らの論文「Situation Analysis of a New Effort of Community-Based Health Planning and Services (CHPS) for Maternal Health in Upper West Region in Rural Ghana」がInternational Journal of Environmental Research and Public Health (IJERPH) 誌に公開されました。

西アフリカに位置するガーナの一次医療施設Community-Based Health Planning and Services (CHPS ) に、助産師を配置するという郡レベルの新たな取り組みの効果を確認した論文です。IJERPH誌の特別号"Access to Healthcare for Vulnerable and Minority Populations: A Global Perspective"に掲載されています。

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2023年7月31日The Lancet Regional Health - Western Pacific

NCGM国際医療協力局春山怜医師が共著者として関わった、アジア21か国における子宮頸がんに関するレビュー論文「Towards elimination of cervical cancer – human papillomavirus (HPV) vaccination and cervical cancer screening in Asian National Cancer Centers Alliance (ANCCA) member countries」がThe Lancet Regional Health - Western Pacific誌に公開されました。
この論文は、アジア国立がんセンター協議会(ANCCA)に参加する研究者が共同で作成し、各国におけるHPVワクチンと子宮頸がん検診の現状と障壁を多面的にレビューしました。ANCCAの日本事務局は国立がん研究センターが担っています(https://ancca.asia/)。

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2023年6月27日 Global Health & Medicine

NCGM梅田亜矢看護師、馬場洋子看護師らによる「Experiences of nurses in charge of COVID-19 critical care patients during the initial stages of the pandemic in Japan」がGlobal Health & Medicineに掲載されました。
この論文は、WHOがCOVID-19のパンデミック宣言を出す以前、その感染症患者の対応にあたった看護師の経験を記述した質的研究です。看護師は特定感染症指定医療機関で勤務していますが、全員が急性期の重症患者を日常的にケアをしているわけではありません。未知のウィルスへの恐怖に加え、慣れない医療機材や人間関係の中、24時間、最前線で奮闘した経験から得られた貴重な結果を分析しました。

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2023年6月25日 Global Health & Medicine

NCGM国際医療協力局 池本めぐみ助産師、田村豊光看護師らによるLetter「Lessons learned from practices during the initial response to COVID-19 on the cruise ship Diamond Princess」がGlobal Health & Medicineに公開されました。
このLetterは、2020年2月、ダイヤモンドプリンセス号における未知の感染症に対する初期対応を通して経験したことを看護の視点で分析し、次の災害に備えるための教訓等について述べたものです。

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2023年6月25日 Global Health & Medicine

NCGM国際医療協力局 田村豊光看護師らによる「Comparison of the clinical competency of nurses trained in competency-based and object-based approaches in the Democratic Republic of the Congo: A cross-sectional study」がGlobal Health & Medicineに掲載されました。
看護師養成課程では、コンピテンシーに基づくプログラムが世界的に導入されている。本研究は、competency-based approachと旧教育プログラムであるobject-based approachが共存しているコンゴ民主共和国において、異なる教育プログラムによる臨床の看護師のコンピテンシーの違いを明らかにしました。

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2023年6月18日 GHM Open

NCGM国際医療協力局の田中彩医師(元レジデント)、春山怜医師らの論文「Clinical features of cervical cancer at a national cancer center in Phnom Penh, Cambodia: A descriptive cross-sectional study」がGHM Openに公開されました。
カンボジアの国立クメールソビエト友好病院(全国に2つしかないがん診療病院の1つ)における2019年の子宮頸がん症例(351例)の病期分布と組織型についてまとめました。単一施設からの報告ではありますが、がん統計と言えばタイやベトナムのデータを用いた推定値しかないカンボジアにおいて、実際のデータをもとにまとめた初めての論文です。

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2023年6月20日 Global Health & Medicine

NCGM国際医療協力局 野崎威功真医師らの論文「Introduction and roll-out of self-learning App for midwifery during the COVID-19 pandemic and its sustainability in Cambodia」がGlobal Health & Medicineに公開されました。
COVID-19パンデミックの影響で、専門能力開発の機会が減少したカンボジア助産師のために、世界40カ国以上で使用されているマタニティ財団が開発した無料の助産自己学習アプリ、Safe Delivery App (SDA)のカンボジア語版を開発し、展開。2021年6月の発行から1年半で、登録助産師の約半数にあたる3,000人以上が利用し、285人が自己学習を修了するなど、定着してきています。導入プロセスの検証では、助産協会のSNSでの広報、対面での導入研修、SNSグループでの問題解決が利用促進に有効であったこと、継続的教育プログラムの認証が活用の動機付けになっていることが明らかになりました。

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2023年5月30日 Health Systems and Reform

NCGM国際医療協力局 野田信一郎医師とフランス、カナダ、ブラジルの研究者らによる論文「Hospital Governance During the COVID-19 Pandemic: A Multiple-Country Case Study」がHealth Systems and Reformに掲載されました。
この論文は、COVID-19の第1波から第3波が来た時に、どのように病院のガバナンスが再編成され、スタッフの差し迫ったニーズに対応する能力を発揮したのか、そのための促進要因・阻害要因はなんだったのかを、病院スタッフを対象にインタビュー調査したものです。

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2023年5月21日 Health Services Insights

一橋大学 本田教授、NCGM国際医療協力局 野田医師らによる論文「Factors for Consideration When Setting Prices for Private Healthcare Providers Operating in Public Systems: A Comparison of France and Japan 」がHealth Services Insightsに掲載されました。

UHC(ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ)を達成するために、多くの国では公的医療機関に加えて民間医療機関をいかに活用していくが重要なテーマとなります。この論文では、医療機関への支払いが社会医療保険制度で行われている日本とフランスとの比較を通じて、民間医療機関への支払いに影響を与える要因を探りました。

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2023年5月10日 EDIZIONI MINERVA MEDICA

NCGM国際医療協力局 村上仁医師、神田未和助産師らの論文「新型コロナウイルス感染症が相対的貧困者に与える経済面、生活面、精神面の影響」がEDIZIONI MINERVA MEDICAのWebサイトに掲載されました。
この論文は、日本における相対的貧困者(世帯所得を世帯人数の平方根で除した値が2019年の平均世帯収入の中央値に半分に満たない)1,000名を対象に2021年9-10月オンラインでCOVID-19の経済面・生活面の影響、同病への恐怖、社会支援とK6スコアによるSPD (serious psychological distress: 重度の精神的苦痛)有無を調査したものです。

調査によるSPDの有病率は17.9%。SPD有無を従属変数、対象者の属性とCOVID-19の様々な影響を独立変数とした多変量ロジスティック回帰分析により、SPDとの関連因子として、①収入減少とそれに伴う生活への影響(携帯電話の停止、炭水化物が多く肉・魚や野菜が少ない食事への変更等)、②労働環境に関係する影響(テレワーク、性自認に対する不当な扱い等)、③直接的な精神・心理的影響(精神疾患の悪化、コロナ恐怖尺度点数が平均以上等)が明らかとなりました。

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2022年度 研究業績

2023年3月15日 Global Health & Medicine

NCGM国際医療協力局 野崎威功真医師、蜂矢正彦医師、池田千絵子局長による論文「COVID-19 vaccination program in Cambodia: Achievements and remaining challenges」がGlobal Health & Medicineに掲載されました。
この論文は、成功国として広く認識されているカンボジアCOVID-19予防接種プログラムについて、保健省発表や報道記事を中心に、プログラムの歴史と変遷を振り返り、その成果と残された課題について考察しています。

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2023年2月16日 Journal of Migration and Health

NCGM国際医療協力局 藤田雅美医師、神田未和助産師、清原宏之歯科医師、岩本あづさ医師、須藤恭子看護師らによる論文「Migrants’ access to COVID-19 vaccination in Japan: Progress and challenges」が、Journal of Migration and Healthに掲載されました。
この論文は、NCGM国際医療協力局が構成メンバーである「みんなの外国人ネットワーク(MINNA)」の関係者、NPO法人 国際活動市民中心(CINGA)、東京都福祉保健局、外国人診療に携わる方々、多文化共生の研究者と協力し、日本における外国籍の方に対する新型コロナワクチン接種の状況を国際的な枠組みを用いて記述した上で、外国人の保健医療へのアクセスをめぐる課題について考察したものです。

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2023年2月20日 International Journal of Infectious Diseases

NCGM国際医療協力局宮野真輔医師らによる論文「Comparison of population-based measles-rubella immunoglobulin G antibody prevalence between 2014 and 2019 in Lao People’s Democratic Republic: Impacts of the National Immunization Program.」が、International Journal of Infectious Diseasesに掲載されました。
この論文は、NCGM国際医療協力局がラオス保健省、国立感染症研究所(日本)、健康安全保健局(英国)、ロンドン大学、WHO、UNICEFと協力し、多段階クラスターサンプリングを用いて、ラオスにおける麻疹および風疹の全国抗体保有率調査を2014年および2019年の2時点で実施し、それぞれの抗体保有率を人口ベースで推定・比較することで、予防接種プログラムの効果を科学的に評価した論文になります。2014年から2019年の間に、IgG保有率は両疾患で有意に上昇しており、麻疹および風疹排除へ向けて本腰を入れていく段階に入った可能性があることが示唆されました。

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2023年2月17日 Health Systems & Reform

一橋大学本田教授、NCGM国際医療協力局野田医師らによる論文「How Hospitals Overcame Disruptions in the Early Stages of the COVID-19 Pandemic: A Case Study from Tokyo, Japan」がHealth Systems & Reformに掲載されました。
この論文は、新型コロナウイルス感染症パンデミック初期段階での日本の医療施設におけるケーススタディです。医療施設は未知の感染症に直面し、感染症対応と共に通常の保健サービスを提供するために、ガバナンス、人的資源、感染管理、施設および資機材管理等の分野で、様々な事象に柔軟に適応し、変革的な対応をとっていることが明らかになりました。

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2022年12月30日 PLoS ONE

NCGM国際医療協力局宮野真輔医師らによる論文「Prevalence of hepatitis B and C virus infections in Lao People’s Democratic Republic: The first national population-based cross-sectional survey」がPLoS ONEに掲載されました。
この論文は、ラオスにおいて、NCGM国際医療協力局が保健省、WHO、UNICEFと協力して実施した調査をもとに、同国におけるBおよびC型肝炎ウィルスの慢性感染の割合を人口ベースで初めて推定したデータを示しています。さらにそれらの性別、年齢層、地域、民族による違いも分析しており、今後のラオスにおけるウィルス性肝炎対策を考えていく上で、非常に重要な疫学情報を提供しています。

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2022年12月19日 International Journal of Environmental Research and Public Health

NCGM国際医療協力局Thandar研究員らによる論文「Effectiveness of Infection Control Teams in Reducing Healthcare-Associated Infections: A Systematic Review and Meta-Analysis」がInternational Journal of Environmental Research and Public Healthに掲載されました。
この論文は、「医療関連感染の減少に感染制御チーム(ICT)は効果的か」を調べた系統的レビュー・メタアナリシスです。ICTは医療関連感染の発生率および入院期間を低減させないが、リンクナースを配置した場合には感染予防実践のコンプライアンスは改善するという結果でした。先行研究の質の低さが影響していると考えられ、この結果は慎重に解釈する必要があります。ICTの有効性や費用対効果を実証するためには、質の高い研究が望まれます。

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2022年11月23日 Diabetes, Metabolic Syndrome and Obesity: Targets and Therapy

NCGM国際医療協力局袖野美穂医師らによる論文「Association Between Physical Activity and Type 2 Diabetes Using the International Physical Activity Questionnaires: A Case-Control Study at a Health Promoting Hospital in Chiang Mai, Northern Thailand」がDiabetes, Metabolic Syndrome and Obesity: Targets and Therapyに掲載されました。
この論文は、糖尿病罹患者と非糖尿病罹患者の運動量を比較した量的研究です。患者健康教育が盛んな地域においては、糖尿病罹患者の運動量が非糖尿病罹患者よりも高値となることが示唆されます。

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2022年11月29日 BMC Health Research Policy and Systems

NCGM国際医療協力局野崎威功真医師らによる論文「Unmet needs for hypertension diagnosis among older adults in Myanmar: secondary analysis of a multistage sampling study」がBMC Health Research Policy and SystemsのWHO特集号に掲載されました。
この論文は、ミャンマーで2018年に実施された、高齢者の家庭訪問調査のデータを用い、高血圧なのにも関わらず、診断をうけたことがない(アンメットニーズ)のはどういう人なのかに焦点をあてた分析です。

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2022年10月8日 GHM Open

NCGM国際医療協力局清水栄一上級研究員らの論文「Seven steps in the value chain of health products for equitable access and delivery in low- and middle-income countries」が GHM Openに掲載されました。
UHCの達成には、安全で質の高い医療製品へのアクセスが必要不可欠であるとSDGsにおいても明示されています。本論文では、文献調査やケーススタディに基づき、低・中所得国の必要としている人々に必要とされる医療製品を効果的に届けるための包括的な枠組みとして、7つのステップを提案しています。

論文はこちらからお読みいただけます。

2022年9月28日 International Journal of Environmental Research and Public Health

NCGM国際医療協力局松岡上級研究員らによる論文「Access to Health-Related Information, Health Services, and Welfare Services among South and Southeast Asian Immigrants in Japan: A Qualitative Study」がInternational Journal of Environmental Research and Public Healthに掲載されました。
この論文は、日本における在日外国人(ベトナム、ミャンマー、ネパール出身)の保健関連情報、保健・福祉サービスへのアクセスに関する質的調査です。アクセスに係る阻害・促進要因を単に分類・整理するだけでなく、エコロジカルモデルを用いて分析を深めています。これにより、個人レベルから、学校や会社などの組織レベル、そして行政レベルに至るまで、改善のための介入ポイントを提示しています。

論文はこちらからお読みいただけます。

2022年9月13日 Global Health & Medicine

一橋大学 本田教授、NCGM国際医療協力局野田医師らによるLetter「How should support for hospital staff during health shocks be improved? A discussion from Japan's experience during the COVID-19 pandemic」がGlobal Health & Medicine 誌に掲載されました。

COVID-19パンデミックの経験から、保健人材にとって働きやすい環境を作るための戦略等について述べています。

Letterは、こちらからお読みいただけます。

2022年8月31日 Global Health & Medicine

NCGM国際医療協力局田村看護師、井上医師、村上医師によるLetter「International technical cooperation to low- and middle-income countries during the COVID-19 pandemic」がGlobal Health & Medicine誌に掲載されました。

COVID-19パンデミック以降の国際医療協力局の事業の一部を紹介しています。

Letterは、こちらからお読みいただけます。

2022年8月18日 PLoS ONE

NCGM国際医療協力局宮野医師らの論文「Public knowledge, practices, and awareness of antibiotics and antibiotic resistance in Myanmar: The first national mobile phone panel survey」がPLoS ONEに掲載されました。

本論文では、携帯電話パネルサーベイ手法を用いてミャンマーで初めて行われた「抗菌薬およびその耐性(AMR)に対する全国意識調査」にもとづき、一般国民における抗菌薬やその耐性に対する知識、抗菌薬の入手および使用方法、それらの年齢や地域における違いなどついて分析・考察し、今後のミャンマーにおける薬剤耐性対策の方向性について提言をしています。

論文は、こちらからお読みいただけます

 2022年7月14日 Tropical Medicine and Health

NCGM 森山潤看護師らによる「コロナ禍でのベトナムにおける医療安全推進のための院内組織体制強化事業(医療技術等国際展開推進事業)」に関する論文が 『Tropical Medicine and Health』 に公開されました。
こちらからご覧いただけます。

 2022年6月18日 Human resources for Health

NCGM国際医療協力局本田医師、井上医師、永井医師らの論文「Lessons learned from the history of postgraduate medical training in Japan: from disease-centred care to patient-centred care in an aging society」がHuman resources for Healthに掲載されました。

本論文では、日本の医師卒後研修の歴史を振り返り、その中でも特に専門性重視から全身を診ることができる総合医を目指して仕組みを変えていった過程に着目しています。

こちらからご覧いただけます。

2022年6月14日 Nurse Education Today 

NCGM国際医療協力局虎頭客員研究員らによる論文「Medium-term outcomes of a program to upgrade the nursing faculty in Cambodia: A qualitative study」が Nurse Education Today に掲載されました。

この論文は、カンボジアにおける看護師のブリッジングコース(准看護師→看護学士)の効果・影響に関する質的調査です。当コースが及ぼした個人(修了者)レベルへの効果、さらに組織レベルへの影響を研修効果評価の中心的な理論であるカーク・パトリックモデルを用いて説明しています。さらに、これらの効果発現に貢献した周辺要因をエコロジカルモデルを用いて分析しています。

こちらからご覧いただけます。

研究業績リスト

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