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国立国際医療研究センター自然災害時の保健医療支援活動マニュアルを公開
-東日本大震災の教訓を次の災害対応に活かすために-
2013年3月6日
独立行政法人 国立国際医療研究センター
NCGM国立国際医療研究センター[東京都新宿区(以下、NCGM)]は、東日本大震災の教訓を基に、平成17年に作成したマニュアルを改訂して『自然災害時における亜急性期保健医療支援活動マニュアル』を作成しました。今後の大規模自然災害に備え、広く国内の医療機関および保健行政機関に利用して頂けるよう、3月6日よりセンターホームページ上で公開します。また、印刷物としても関係者に配布する予定です。
マニュアルの対象
本マニュアルは、地震や津波などの自然災害において、超急性期(48時間以内)から急性期(1週間以内)の災害医療派遣チーム(DMAT)による活動終了後、避難所巡回診療などの亜急性期における保健医療支援活動が円滑かつ効果的に行われるよう、全国の医療機関を対象に書かれています。
改訂のポイント
いかに慢性疾患や要援護者に対する適切な対応を長期にわたり円滑に行うかを改訂の軸としています。
マニュアルの構成
第1部「支援体制確立と後方支援」、第2部「医療救護チーム活動」、第3部「被災地保健師支援活動」の3部で構成されています。また、東日本大震災の教訓を、支援活動の4つの原則と留意点としてまとめており、各部の冒頭にも支援活動の心得として記載しています。
強調した点
- 全国から駆けつけた医療救護チームが効率的・効果的に活動するために、合同チームとして活動する視点をもつこと。そのため、
- 外部との窓口となるチームリーダーを置くこと。
- 地元保健師を中心として保健医療活動支援を行うこと。
今回のマニュアル改訂の背景
平成16年の新潟中越地震後、厚生労働科学研究費補助金により「新潟県中越地震を踏まえた保健医療における対応・体制に関する調査研究」が実施され、急性期医療班活動、亜急性期医療班活動、生活機能低下予防、災害時小児看護、精神保健医療活動、災害時保健活動の6部からなる包括的な『自然災害発生時における医療支援活動マニュアル』が作成されました。このうち、NCGM(当時、国立国際医療センター)は、第2部『亜急性期医療班活動マニュアル』を分担執筆しました。
東日本大震災は、その被害規模と巨大津波という点で、前マニュアル作成のベースとなった阪神・淡路大震災や新潟中越地震とは異なる自然災害で、より長期にわたる保健医療支援活動が必要となりました。NCGMは、東日本大震災直後より被災地支援を開始し、6月30日までの約3カ月間に52隊、延べ277名の職員を医療救護チームとして宮城県東松島市に送りました。
一般的な医療救護チームを構成する医師、看護師、薬剤師、事務職に加え、NCGMは、ヒト、モノ、基本インフラが恒常的に不足している開発途上国の医療現場で、多くの援助団体と共に支援活動を専門的に行っている国際医療協力局を有することから、同局の医師、看護師等を医療救護チームのリーダーや調整役として派遣しました。被災地では、避難所巡回診療だけでなく、全国から駆けつけた医療救護チームの調整、自宅避難者の大規模ニーズ調査などの支援も行いました。巡回診療が終了した6月以降も、同市と協定を結び、保健師による公衆衛生活動を中心にした同市の復興支援を継続しています。また、今後本マニュアルと共に次の災害対応への貴重な資料となる、本年1月31日に発行された同市の保健師・栄養士活動報告書『東日本大震災をともにのりこえて』の製作・編集も支援しました。
本件に関するお問合せ先
独立行政法人 国立国際医療研究センター(NCGM)
国際医療協力局
TEL:03-3202-7181(内線 2732)
〒162-8655 東京都新宿区戸山 1-21-1
担当:国際派遣センター長 仲佐 保(なかさ たもつ)
派遣協力第1課医師 野田 信一郎(のだ しんいちろう)
取材に関するお問合せ先
国立国際医療研究センター 企画戦略局 広報企画室
広報係長:西澤 樹生(にしざわ たつき)
電話:03-3202-7181(代表) <9:00~17:00>
E-mail:press@hosp.ncgm.go.jp