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国立国際医療研究センターにグローバルヘルス人材戦略センターが開設
-国際機関に日本人を送る-

2017年9月19日

国立研究開発法人 国立国際医療研究センター

国立研究開発法人国立国際医療研究センター(以下、NCGM)に、厚生労働省大臣官房国際課の委託事業として、グローバルヘルス人材戦略センター(Human Resource Strategy Center for Global Health 、以下、HRC-GH))が9月1日に開設されました。9月21日に開所式が行われ、厚生労働省大臣官房総括審議官(国際保健担当)山本尚子氏が出席されます。

HRC-GHは国際機関における日本人のプレゼンスを高めるべく、2016年に行われた「国際保健に関する懇談会」の「国際保健政策人材養成WG」が提出した報告書の提言を具体化したもので、センター長には中谷比呂樹(NCGM理事)が就任、さらにグローバルヘルス人材調整官、グローバルヘルス人材分析官等を配し、関連する諸機関からのメンバーにより構成されるアドバイザリーグループが置かれます。今後、我が国の国際保健政策人材を戦略的に養成し、その人材を国際機関に送出し、かつ、国内組織へも受入れる双方の支援を実施するための司令塔機能を担い、以下の業務を実施します。

  1. 国際的組織への志願者の登録情報の受付・管理(人材のプール)
  2. 登録者の技術支援、カウンセリング、アフターケア
  3. 国際的組織からの求人情報等の情報収集、人材受け入れの働きかけ
  4. 厚労省・関係省庁・大学・研究機関等と連携した人材育成戦略の企画立案      
  5. 就職が決まるまでの間の働き場所の提供(「止まり木」機能の提供)

グローバルヘルス人材戦略センターが開設

国内・海外における戦略的な国際保健人材育成の強化と、「リボルビング・ドア」による人材プールの構築と情報共有を図ることにより、2020年までに国際保健政策人材を50%増加させることを目標にしています。なお、12月10日(日曜日)には開設記念ワークショップの開催が予定されています。

国立研究開発法人国立国際医療研究センター

国立研究開発法人国立国際医療研究センター(NCGM)は、病院(新宿のセンター病院と市川市の国府台病院)、国際医療協力局、研究所、看護大学校などからなります。

厚生労働省や外務省、世界保健機関(WHO)を含む国連機関、国際協力機構(JICA)などと連携し、開発途上国の保健医療向上のための支援や国際保健分野の情報発信などを行っています。これまでに、ベトナムやカンボジア、ミャンマーなどのアジア地域、セネガルやザンビア、コンゴ民主共和国などのアフリカ地域、ボリビアやブラジル、ホンジュラスなどの中南米地域など、世界約130カ国・地域に専門家を派遣しています。これらの国々では診療技術の支援のほか、病院管理、地域保健医療システム強化、国の法制度整備などへの支援を行っています。2015年からは厚生労働省の委託を受け、「医療技術等国際医療展開推進事業を実施しています。また、日本や各国の保健医療援助に関する助言や提言、開発途上国からの人材受け入れと研修や、日本国内の保健医療協力人材の育成にも取り組んでいます。さらには、新型インフルエンザ対策やエボラ出血熱対策、海外邦人保護に関する支援、東日本大震災支援なども実施しています。

国際機関の日本人職員

「国際保健に関する懇談会」の「国際保健政策人材養成WG」による報告書(2016年)によれば、国際機関における邦人専門職員の現状は以下の通り。

保健関連国連機関(WHO、UNDP、UNICEF、UNFPA、UNAIDSを対象)において邦人専門職員の増加率は過去4年間でわずか1%であり、これは中国・韓国の45%に比して著しく低い。また、国際保健政策を形成するリーダーポストのうち邦人が占める割合はわずか2.2%(2,229 人中49人) である(2013年現在)。

本件に関するお問合せ先

国立国際医療研究センター 国際医療協力局 人材開発部研修課
研修係長    珍田 英輝(ちんだ えいき)
人材開発部長  三好 知明(みよし ちあき)
電話:03-5273-6828(直通)
E-mail: info@it.ncgm.go.jp
〒162-8655 東京都新宿区戸山1-21-1