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2023-2024年、ザンビア共和国における大規模コレラアウトブレイク対応をふりかえる

局員が経験した大規模コレラアウトブレイク

日本から約1万3千キロ離れたアフリカにあるザンビア共和国の首都ルサカには、NCGM国際医療協力局の法月正太郎医師が、2021年よりJICAルサカ郡病院運営管理能力強化プロジェクトチーフアドバイバーとして長期派遣されています。日本の無償資金協力で建てられた、人口が密集したスラムの真ん中に建つ5つの一次レベル病院で、ザンビア人と共に、質が高く、住民から愛され、スタッフにも働きがいのある病院づくりを目指し、日々活動しています。

2024年春、ルサカにいる法月医師から、以下の便りが届きました。

「・・・普段から混雑するルサカの一次レベル病院でコレラ患者が発生したのは2023年の10月でした。コレラは、Vibrio choleraeの細菌毒素によって起きる急性の下痢性疾患で、便や嘔吐物に排出された菌が、直接、あるいは排泄物で汚染された水や食品を介して経口感染します。ルサカの10月は乾期の終わりで雨期の前。発生した地域は、貧しい人々が密集して暮らし、安全な水へのアクセスが悪く、一旦雨が降れば洪水となり、トイレから溢れる便で水源が汚染される厳しい状況にあります。普段から地域の人々がどんな暮らしをしているのかを知っているからこそ、雨期が始まった後にはどれだけ数多くのコレラ患者が発生するか、私たちの想像に難くありませんでした・・・」

今回のアウトブレイクで亡くなった740名以上の方たちの御冥福をお祈りするとともに、国際パートナーとして何ができるのか、何をすべきなのかを考えつつ、日本の健康危機管理対応や大規模治療センターの設置に役に立てばと思います。

ザンビア史上最大のコレラアウトブレイクとなった公衆衛生危機に、NCGM国際医療協力局がどのように対峙したのか、緊迫の5か月間を4回シリーズでふりかえります。

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    雨の後、水はけが悪く床下浸水しているコレラのホットスポット。トイレから溢れた汚水により地域全体が汚染されている

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    2024年2月、入院患者が100人を切り落ち着いたヒーローズスタジアムのコレラ治療センターで共に戦ったスタッフと法月正太郎医師

『ザンビア史上最悪のコレラアウトブレイクを食い止めた、オールジャパンの取り組みとは?』